タネも仕掛けもない、レモンの中から出てくる真実は……?

最後に、「やられたっ!」と言いたくなり、尚且つもう一度読み直したくなる作品。
ミスリードと最後のどんでん返しがお見事。
そういうことか、言われてみれば……、となるのは間違いなし。

ここで、少しだけ本編のあらすじを。
田中の幼馴染みの梨里は、魔法少女になるのが夢だった。
だが、そんなものにはなれないことを知ったのか、彼女は「手品師になる!」と言い出した。
基本的に諦めの悪い彼女は、言い出したらやり通すため、本当に手品師に弟子入りしてしまった。
そんな彼女の、手品師になるための物語が始まる……のか?

そんな感じで、割と愉快な感じで進んでいく本作。
特に派手な描写もないのに、なんだか無性にわくわくしてしまう。
キャラクターが魅力的で、『手品師』というスパイスも聞いている。

日常の中の非日常、もしくは非日常の中の日常。
どちらにも言い換えられるような、そんな作風。

でもやっぱり、最後のどんでん返しが素敵で、そのためにこの物語が紡がれたと言っても過言ではないだろう。
なんでこんなに、最後を推すかって?
私が好きだから。それだけ。

騙されていたのに、爽やかな「やられたっ!」が出てくる。
不快な気持ちにも、悔しい気持ちにもならない。
ラムネのような爽快感というか、清々しい。
個人的にそう感じた。

タネも仕掛けもないレモンのマジック。
タネも仕掛けもあるこの物語。

是非、読んでみませんか?

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