題名に偽りなし!

 題名の通り、日常から冒険へと繋がる物語です。

 そう特筆すべき理由は、転移、転生を扱う物語は、序盤も序盤に起きるべきそれらが、この物語にはないからです。

 本当に日常が繰り広げられ、その中で起きる事件を丁寧に描いた序盤があり、超展開を経る事なく進んでいく物語は、安易に転移モノという単語に飛びついたものではないと感じさせられます。

 展開がゆっくりしているという意見もあるでしょうが、私にはこのゆっくりは遅いのではなく丁寧なのだと思わされました。それ故に文章は優しい印象があり、だからこそ登場人物の個性が引き立ち、ハッキリしているのだ、と。

 記号化された単語の羅列ではない異世界転移の物語、お薦めできます。

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