美しくも儚い命の結晶とピアノ曲のコラボレーション—。

心の音にそっと耳を傾け、悲しみさえも包み込もうとする作者の優しさが音楽のように洗練されたこまやかな文体で心に語りかけてくるエクリチュールの連作。

難病を抱えながら生きる命を生かそうと努力する方々の優しさにふれる時ほんとうの意味での命の尊さに人は気づくのかもしれません。

病の苦しみと向き合う少年の心の痛みはピアノ曲の旋律に溶け込んでいくように音楽と一体化し、ほんとうの幸せと命の尊厳について訴えかけ、胸に迫ります。