ミヨシ君を綴るおじいちゃんの愛が世界がまた美しい

ミヨシ君がササオカさんに出会うまでの日々がおじいちゃんであるピアノの先生の視点で描かれています。
おじいちゃんのミヨシ君への想いに共感できるとともに、祖父であるからこそ見えるミヨシ君が美しく綴られています。
前作の「白百合の病」がササオカさんの視点からだったのに対して、おじいちゃんからの視点なので、よりミヨシ君を近く感じます。そして、祖父だからこその悲しみが伝わってきます。
今回もピアノの音が溢れていて、そのピアノと響き合うような美しい文章が見事です。
ミヨシ君は決して不幸ではないと思わせてくれるラストが素敵です。
まさにこれこそ純文学。美しい調べをご堪能ください。

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