倒れそうな僕たちが、寄り添って立っていられる距離の限界


小さな海辺の町で、小さな関係が波に揺られる。
独り言が洒脱な平野ことキヨモリ。闊達を絵に書いたような男前、植木先輩。アーモンド型の目をしたキヨモリの苦手なタイプの桐宇治さん。

僕は、桐宇治さんの隣は歩かない。
それは、とても自然で、ループする漣のように不自然で、何故か落ち着く距離。

歪さは熱を持ってしまっているが、もうどうしようもない。
純で、透明で、ずきずきと切ない。
痛々しい少年少女が海岸を侵食する波に漂うお話。

情けないキヨモリの気持ちが分かる人にはたまらない作品です。