中学受験、ドッジボール、謎のおじさん

みんなが楽しそうにドッジボールしているのを横目で見ながら中学受験の勉強に励む主人公。
そんな彼が、図書館で不思議なアラフォー男性と出会って、自分が本当は何をしたいのか気付く。
中学受験のことが描かれていますが、本当に受験の問題で出そうな文章ですね。
図書館のおじさんは幻(少年の心を映している何か)なのか、本物なのか。
ラストシーンを読むとどうやら現実の存在のようですが、どちらにせよ、少年にとって、またこのお話にとって、おじさんが何を意味するのか、考えれば考えるほど深みにハマります。
また、タイトルの『ボールの行方』という言葉の意味も、いろいろありそうです。
この話の中では、ボールを見ているだけだった主人公。今度は自分で手に取るのでしょうか。
最後、受験しなかったと告白した主人公に、友人たちが掛けた言葉に心が温まりました。

その他のおすすめレビュー

相沢泉見さんの他のおすすめレビュー284