恋愛は数値でするものか、それとも。

 ミスマッチアプリ。相性のいい人間を探るマッチングアプリの逆バージョン。自分と相手の相性の悪さがパーセンテージで表すことができる。そのなかでも稀有なパターン、ミスマッチ率100%の女性と出会う。彼女は雨宮翔子。興味深い数字を叩き出した彼女と会わない理由がなかった。

 人間関係は数値で測れるものなのか。ミスマッチ率の高い人間は排斥すればいい。そう作中で述べられていますが、主人公と翔子の関係がひとつのアンサーなのだと思います。まったく合わない人間とはいかなるものか。好きなものを嫌い、嫌いなものを好む二人。価値観や意見の相違は目に見えていて、すれ違うこともあると思います。合わないから排斥するのではなく、そこから二人が何を感じ、相手と関わり、関係を築いていくか。その紆余曲折ある過程に胸を衝かれます。

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