「ありふれた絶望」だからこそ

幸せな人にもその人なりの絶望がある。それはかなわなかった子供のころの夢であるとか、何となく感じる閉塞感とか、退屈な日常であるとか…他人から見るとなんてつまらない悩みかと思うかもしれない。本人もそんなことはわかっているから人には言えないけど、やっぱりつらいものはつらい。そんな気持ちになる短編。短いけどしっかり作者特有の外連味を詰め込んでいる。おもしろかったです。