月落ちる森Ⅰ 白夜の狼

作者 小湊セツ

この世界にどっぷり浸ってほしい!

  • ★★★ Excellent!!!

獣人の女の子セリアルカと、彼女を狂おしいほどまでに溺愛するアルファルドの関係を描いた学園恋愛ファンタジー。ですが、単なる学園ものではなく、綿密に錬られた世界観と神話が舞台になっており、読み応えは十分です。

セラことセリアルカは獣人であるがゆえに様々な制約を負っているのですが、その枷を物ともせず序盤からグイグイ迫ってくるのがヒーローのアルファルド。セラに近づく者は文字通り殺す、という勢いで溺愛しておりますが、実は二人の運命にはこの国に伝わる神話が関係していました。
この神話がまたよく考えられており、まるで伝承のように語られる美しい物語がこの作品を魅力的に彩っています。神話好きの方は必見。

中盤以降は学園で起きた獣人にまつわる事件に焦点を当て、後半にかけて一気に読者を引き込みます。その中で少しずつ関係を育んでいくセラとアル。個人的には、セラに対してはもう尻尾をブンブンに振った子犬のような態度を取るのに、彼女に害を成す存在には狂犬のように(相手を半殺しにするレベルで)噛みつくアルファルドのギャップを存分に堪能頂きたいです!(笑)

メインの二人以外のキャラクターも個性的で、彼らの掛け合いを楽しめるのも魅力の一つ。
男女のカップルも多く出てきますので、恋人同士のキュンとした可愛らしい場面もありつつ、男同士の軽口を混ぜたコミカルなやり取りや息のあった戦闘シーンなど、キャラクターものとして見ても面白い一作です。いわゆる「推し」や「推しカプ」が必ずできる作品かと。

神話をベースとした世界観や学園もの、ロマンスやブロマンスなどキャラクター同士の関係性を存分に楽しみたい方におすすめの作品です!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

 騎士を目指す少女セリアルカと、彼女を溺愛する美青年アルファルドが、王立学院で再会することから始まるラブストーリー。実は、神話時代から現代へまっすぐつながる、非常に奥深い背景を持った物語でもあります… 続きを読む

結月 花さんの他のおすすめレビュー 786