花に焦がれて恋を待つ。恋情と陰謀に神話を絡めた、学園恋愛ファンタジー!

 騎士を目指す少女セリアルカと、彼女を溺愛する美青年アルファルドが、王立学院で再会することから始まるラブストーリー。実は、神話時代から現代へまっすぐつながる、非常に奥深い背景を持った物語でもあります。
 序盤、学園ファンタジーらしく、次々と登場する美男美女の学友たちに翻弄される主人公。王立学院に通う学生たちは、貴族や王族など上流階級の若者が多く、友情恋愛対立を絡めながら、セリアルカの特殊な体質である「狼女」について理解を深めていけるようになっています。(もふもふ狼もたくさん出てきます!)

 中盤で起きる事件を切っ掛けにミステリの色を帯びるようになりますが、それを解き明かしていく中で、セリアルカやアルファルド(他のメインキャラたちも)の神話的な背景も徐々に明らかになっていきます。
 アルファルドがセラを溺愛する理由も、過去の出来事に起因するとわかってくるのですが……そこからの怒涛の展開が本当に胸に迫りますし、読み進めずにはいられなくなります。幸せになって、と願わずにはいられません。

 アルファルドが抱く一方通行の重い愛情が、双方向になる日は来るのでしょうか?
 ぜひご一読ください。

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