キリエス・リジェネシス　～死にぞこない男と幽霊ガールの怪獣討伐記～

あらすじと各話タイトルを見れば何のオマージュか、恐らく大抵の男の子（重要）はわかるのではないでしょうか。
そう、あの巨人たちです。

ストーリーも伏線回収も良質なのは間違いないですが、私個人としては読み進めるにつれてあの懐かしさを思い出させてくれる、という点が最も素晴らしいと思いました。

童心に帰りたいときにおすすめの一作です！

幼い頃に体験したあの緊張感と爽快感。

それは年月を減る度に少しづつ薄れていき、新作や映画を見て感心はできても再び興奮を覚える事は無くなっていました……。

まさか今、再びそれを体験できるとは思いませんでした。

いくらオマージュとはいえ、30分という限られた時間、子供向けという制約の中で作られたストーリーを、膨大な設定、緻密な文章表現と語彙演出で、大人が鑑賞するに相応しいモノに昇華させた作者様の技量は素晴らしいの一言につきます。

熱い想いが伝わってきました。

光の巨人、という単語にピンと来たそこのお方。是非にこの作品を読むべきです！

故郷を「怪獣」に焼かれた主人公・和泉眞は謎の少女に導かれ、光の巨人「キリエス」に変身し怪獣と戦う力を手に入れます。
バトルシーンの手に汗握る格好よさはさることながら、普段は特殊部隊の隊員である彼の隊員としての描写もとてもリアリティがあって引き込まれてしまいました。
中にはとても残酷な現実に直面するようなシーンもありますが、そればかりではありません。主人公を応援したくてたまらなくなります。
また、現段階の最新話でメインとなっている新キャラ二人組がたいへん可愛くてこちらは別の意味でニヤニヤと応援したくてたまらなくなって…続きを読む

この世界の底で蠢く謎が、怪獣となって襲いくる！
立ち向かうは、銀色に輝く、光の巨人！

怪奇！神秘！！

圧倒的文章力に、今、貴方の目は貴方の身体を離れ、この不思議な世界に引き込まれる！！

現在でも形を変えて放送される、巨人と怪獣との戦いの番組の昭和の頃を彷彿とさせます。
知ってる人には懐かしく、知らない人には新鮮な面白さを与えてくれる作品です。

数多ある特撮ヒーロー小説の中で、群を抜く筆力とストーリーテリングによって紡がれた、素晴らしい英雄譚の始まりです。

正統派からジュブナイル、トラウマ間違いなしの物語まで、特撮好きの心を熱くするニューヒーローの誕生に大いなる声援をおくりましょう！

頑張れ、キリエス！

負けるな、キリエス！

闇を撃ち砕く光となれ！