隕石の衝突によって出現した巨大生物『怪獣』の脅威と戦う激動の時代。怪獣との戦いで記憶を失った航空自衛隊の源王城は、怪獣特殊処理班への転属を命じられる。そこは怪獣のコアの処理を専門とする特殊部隊だった。怪獣の後始末を専門にする特殊作業員たちの物語です。
地球の生物をベースにコアが宿った存在が『怪獣』だ。怪獣が死んでも意識が宿るコアを浄化しなければ、再び怪獣は蘇る。王城たち怪獣特殊処理班は怪獣のコアを目指して怪獣の体内を突き進む。その光景は未知のダンジョンさながら。腐敗のはじまった肉体は可燃性のガスが溜まり、戦闘機や戦車の爆撃を受けた怪獣の肉体はいつ崩れてもおかしくない。そんな危険と隣り合わせの現場の状況が手に汗握ります。
怪獣のコアの浄化作業を進めるうちに、王城たちの前にコアを持つ人間『怪人』が現れる。暴れるだけの怪獣と違い、知性を持つ彼らは敵か味方か。なぜ怪獣は出現するようになったのか、コアとはいったいなんなのか、政府の上層部は何を隠しているのか。複雑怪奇な陰謀劇を描く壮大な怪獣SFです。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)