長い孤独の終わり

何よりもまずこの作品で一番好きな一文。

「おれを呪う力を、時には誰かを助けるために使ってもいいはずだ」

忌まわれて故郷を出て、それっきり。
孤独でいることが唯一好きな人に報いる道だと、長い時を独りですごした男が、片翼を見つける物語。

雪と色を使った表現が美しく、引き込まれたまま物語はクライマックスへ。

こう、鍋島作品の魅力は言語化できる物もできない物もたくさんあるのですが、鍋島さんの名付けのセンスがとても好きで、とりあえず冒頭三文字で僕はやられました。

これは願望ですが、主人公が生を全うする能力を獲得したんだったらいいなぁと思ってます。

「今回も良かったぞ鍋島ぁっ!」

という私の心の咽び泣きを添えて、本レビューの締めくくりといたします。

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