カラヴィンカの祝福
鍋島小骨
第1話 伝承
虹を
その姿と声のあまりの美しさに惚れ込んだ人間が、ある
地上に住み始めた彼女たち一族は声で祝福をもたらす翼人として
しかし、
翼ある姫に名を呼ばれた者が王になる。
かつてそのようにして国は生まれ、広がり、代を重ねた。
遠い昔の、神話時代の物語だ。
今では、翼ある娘がこの世にいるなどと信じる者はない。
混血が進んでもはや
本当に祝福の力を秘めた声と翼を持つ姫などいないのだが、国は今でもそうした神話的な形式で王を選ぶ儀式を守っている、それだけのことだと言われるようになった時代に、しかし、おれたちは生きていた。
これは、そうした時代、おれが自分の片翼を見つけた時の話である。
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