概要
――『彼女』は『彼』の夢を見ている。
母親の入院した病院の屋上で、昴は自称神様と出会う。少女の姿をした、自称神様は、彼に願いごとを叶えてあげると言う。
昴はそれを信じられないまま、今日も少女との邂逅をする。
七日目に、少女が眠りにつくときまで——。
昴は、第2子出産のために入院している母親の見舞いのために、ある病院を訪れた。
見舞いの帰りに、何気なしに病院の屋上へと足を向ける。何気なしに夕陽を写真に収めていると、そこには一人の少女が佇んでいた。少女は昴に「自分は神様で、貴方の願いを叶える」と言い放った。
少女の言い分を到底信じられない昴は、あやしい少女に背を向けて、足早に屋上から立ち去った。
別の日に再び屋上へと向かうと、やはりそこには少女が佇んでいた。
意を決した昴は少女に声をかける。
「どうして自分の願い
昴はそれを信じられないまま、今日も少女との邂逅をする。
七日目に、少女が眠りにつくときまで——。
昴は、第2子出産のために入院している母親の見舞いのために、ある病院を訪れた。
見舞いの帰りに、何気なしに病院の屋上へと足を向ける。何気なしに夕陽を写真に収めていると、そこには一人の少女が佇んでいた。少女は昴に「自分は神様で、貴方の願いを叶える」と言い放った。
少女の言い分を到底信じられない昴は、あやしい少女に背を向けて、足早に屋上から立ち去った。
別の日に再び屋上へと向かうと、やはりそこには少女が佇んでいた。
意を決した昴は少女に声をかける。
「どうして自分の願い
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夕陽の屋上で、“神様”と目が合う
病院の屋上、異様に綺麗な夕陽。導入だけで空気が決まっていて、読む側の呼吸も自然と静かになります。
昴が「理由は分からないけど屋上へ行く」流れが押しつけがましくなくて、気づけばこちらも同じように階段を上っていました。
自称“神様”の少女は、言っていることは突飛なのに、語り口が淡々としているせいで逆にリアルに感じる。
昴が警戒しつつも引き返せない感じも含めて、「怖い」じゃなく「気になる」に落ちていくのが上手いです。
『火』では願いの“制限”が具体的に提示されて、ファンタジーがふわっとしたまま終わらず、輪郭が出てくるのも良かった。
最後の「一瞬目を逸らしたら消えていた」が、夢っぽさというより、夕暮…続きを読む