墓土

 そうした職場の話を、ネットで多少読んだことはある。これからどんどん需要が増すだろう。
 無論、それは必要不可欠な仕事であり、私自身大変尊敬している。誰にでも出来る話ではない。
 そんな私に、主人公の淡々としたプロ意識の発露がじっくり伝わる内容だった。いつそれがくるか分からないからアルコールを控えて欲しいという要望を実質的に黙殺する姿はなまくらな筆では到底描けないだろう。その感覚は作中の一大事件の暗喩でもある……そう、所詮人は人と『通じない』。
 コミックリリーフ役の後輩にも大変好感が持てる。作品の構成、配置の巧妙さは、実はこの脇役が影で担っているといっても過言ではない。
 現代社会でこそ生まれたのだし読まれて欲しい傑作短編。

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