【完結】転生もふもふ九尾、使い魔になる

美雨音ハル

プロローグ


 ──八日目、ゆめのはこ。


 苦しい。

 苦しいよ。

 誰か、助けて。


 真っ暗な部屋の中に、かすれた悲鳴が響いていた。

 私は必死に扉を叩いて、助けを乞うている。


「た、助けて! お願い、体が……っ! 息が、できないの!」


 けれどそれは誰にも伝わらなくて。

 私を助けてくれる人は、誰一人してここにはいなかった。


 太陽の明るさ。

 光のにおい。

 人の手のあたたかさ。


 それを知っているだけに、余計にこの真っ暗な空間は怖かった。


 息ができない。

 ついに私はひどい苦しみの中、力尽きて、冷たい床に倒れ伏した。


「たす、けて……」


 最期の瞬間、私は強く願った。


 もしも。

 もしも願いが、叶うのなら。


 もう一度だけ、あの、青い空を、

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