キャラが個性豊かで癖があって、悪い!

 これは……発想の勝利ですね!
 悪人がひとりとか、魔王がひとりとか、個別に転移するようなお話は見聞きした覚えがありましたが、悪の組織そのものが転移して魔王軍全体と一気に対立関係に陥っていく流れは、読んでいて一気に引き込まれました。

 このお話を読んでいちばん感じることは各キャラクターの作り込みが大変素晴らしいところです! どのキャラも個性豊かで癖があって一筋縄ではいかない。さすが悪! 良さげな行いをしていても内心では悪巧みしていたりとか。悪人ばかりだから尚更。狐と狸の化かし合いです。
 

 物語全体もとても面白いです。転移した悪の秘密結社は、端的に言えば仮面ライダーの悪の組織。元の世界で秘密裏に暗躍するために物資確保に苦労していた話なども出てきたりして、ああ、そうだよね。悪の組織ってそんな感じだよね、と共感してみたり。
 
 転移直後に資源確保に走るところとかも、よく設定が練られていると感じました。「そもそも悪の組織って科学力すごいよね。人体改造とか洗脳とか平気でするし」って設定を地でいっているところも素敵でした。
 
 また、対立する魔王軍側も魔王の恐怖政治具合がよく描かれていて、最初に接触する魔王軍側の指揮官の覚悟っぷりがそれを強調していて良かったです。ファンタジーの魔王ってこのくらい怖くないと魔王っぽくないですよね!


 この先どうなっちゃうの!? と続きがとても気になります!
 頑張ってください!

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