最新話の109話まで読んだ時点でのレビューになります。
テンポのいいキャラ文芸で、ラノベとかラブコメ好きな人向けの小説だと思います。
物語としては、ヒロインがとあるきっかけで、とある世界に行き運命的な出会いを果たすのですが……という感じの物語になりまして、とある能力が付加されて、そこから始まる冒険譚という感じです。
ただ、ずっと同じアップテンポで物語が続いていくので、物語の緩急を求める文芸寄りの作品が好きな人は、ちょっと敬遠しちゃうかもしれないです。でも、気軽に読書することを楽しみたい方には最適なキャラ文芸だと思います。
キャラクター小説としてのお手本を目の当たりにしたような感じがします。
主人公もペーターもミチャも(その三人が揃うところまで読んでいます)、人柄が想像でき、セリフや行動のひとつひとつがすっと馴染みます。キャラ造形の妙が光ります。だからなのか、想像をしていなかった行動が嬉しい驚きに感じられ、そのキャラの新しい一面を見れたことに喜びが生まれます。
主人公の人物観察眼も秀逸で、端々にキャラを愛でる感想が入るのが愉快です。同時に読んでいるこちらもそれに頷いていることに気づきます。そういうポジティブなものの見方がペーターの「悪いことが起こらないんじゃないか」というセリフに表れているような気がします。
少しだけ登場するキャラも愛すべき存在たちで、まさに「生きている」という感じがします。
私が読み終えた個所はまだまだ物語の序盤ではありますが、謎の空中戦が繰り広げられたり、ここがどこなのかも分からない中、主人公の魔法が拠り所となって先々の冒険が進んでいくことが想像でき、楽しみが広がります。また、ユウト先輩の不可解な様子なども気になるところです。そういった先の展開への引き込み方も素晴らしく、ついつい読み進めてしまいます。今回は時間の関係で、途中で一旦読むのを止めることにしましたが、またこの物語に戻って来たいと思わせてくれる魅力に溢れています。
異世界や異能、とりまく謎や不思議。
最初は私もそこに目を向けていました。ですが、この物語を読んでいると段々と分かってくるんです。
この物語の良さって、それ以上にキャラ同士の関係だなって!
もちろんタグ通り、全年齢の万人受けで異世界転移です。
それにふさわしいスパイスもあちこちに散らばっています。ですが、物語を牽引し、私を惹きつけたものは詰まるところ主人公と関わる人たちの関係でした。
彼女の願いや言葉、彼女が聞いた言葉や受けた態度。それらは軽快な語り口で読者に届きます。押しつけがましいものではなく、とても優しいものでした。しっくりと胸に響き、私も心震わされ、照れ、時に笑えるものでした。
また、最高なのは現在もまだ執筆中ということですね。
気に入った物語が連載中で今後も提供される喜びってたまりませんよねw
私は第一章を読み終えたところです。今日はこの充足感に浸りたいと思います。
明日はきっと第二章に取り掛かるでしょう。
是非みなさまにも、この充足感を味わってほしいなって思ったので、レビューさせていただきました。
作者のmaruさん、素敵な時間をありがとうございました!
まず、このレビューはほんの少しのネタバレを含みますので、つべこべ言わずに作品の方を読むことをオススメします。
面白いです。
さぁ、本題に移りますが、最新話まで読んだ感想と致しましては、ひとこと紹介にも書きました通り、謎の多い世界と、主人公達の掛け合いがとても魅力的な作品だと感じました。
すれ違う想いや、読者すらも騙されるミスリードがあり、ちゃんと考えて書かれてる作品であることは間違いなく。(謎の上から目線)
誤字脱字なども見受けられるものはほとんど無いので、作品に対する作者様自身の愛が込められ、これからの展開がとても気になる作品でした。