素敵な本を、あなたに……!

「丁寧に本を作って、その本を売るためのしかるべき努力をする」
この一行に、すべてが集約された物語です。

主人公の章は、ある新人賞を受賞した作家の卵の作品をめぐって編集長と衝突、出版社を辞めます。そして辿り着いたのが、祖父が北海道のA市でやっていたミュゲ書房。
ここが彼の再生とリベンジの舞台でした。
作品の中に盛り込まれているのは、「個人で書店を経営する難しさ」、「作者の宝物である作品を生かして編集し、一冊の本にする煩雑な工程」、「その本を売るための出版業界の掟」、それをこの作品は一つの面白いストーリーとして描き出します。

それはまさに、この作者さまとシンクロしているような物語です。第3回のカクヨムコンで受賞しながらも出版を断念した思いを昇華し、すべてを小説として書いたよう。
小説を書く者なら知っておきたい、受賞からの流れ、その難しさの全てが骨太のストーリーとして、面白い小説になっています。
カクヨムにアカウントを持つ、自分の本を夢みるあなたに読んで頂きたい作品です。

是非にも、一読を!

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