人は自由だ。そのカタルシスをあなたに
- ★★★ Excellent!!!
まず文章は一つ一つの言葉を丁寧に書いていて、とても冷えている印象を与えます。
それが主人公の性格ととても合っていて良かったです。
軽い文章よりもこういう物語に真摯な言葉の方が好きな方も多いのではないでしょうか。
囲碁を通じて自由へと開放されていく主人公は等身大の人間として共感できます。
音楽を代表に実在の名称が出てきてそのことが作品のリアリティを高めています。
主人公はルーティンを行うのを日課あるいは、精神的な糧にしていますが、初めてのことを苦手に思う読者さんも多いと思います。
最初はバッドエンドかなと思いましたが、そうなるんだという納得できるエンディングになっています。
読者さん自身で確かめてみてください。
短編なので一気読みできるところもとても良い。
ときには長大な長編よりもデザートのような短編が、欲しいときもあります。
そういうときは恋愛という普遍的な要素を扱い、ストーリーを破綻なく展開させる、この作品を読むのがオススメです。
きっと主人公の成長がきっちり描かれているのが読者さんを満足させてくれるはず。