緋色の王様について、知ろうとしてはいけない。

「あるところに、王さまがいました。ひいろの王様と呼ばれています。
 王さまはやさしくて、スラムの子どもたちに安心をくれました。
 しょくじ、えほん、おふろ、ねむるところ、ともだち。
 王さまは、まほうが使えました。まほうは、願いからうまれます。
 だから、王様は子どもに、自分の願いがかなうように願うことを
 求めたのでした。
 でも、そこにスラムから来た大人は、だれもいませんでした」(短編部略)

 緋色の王様と呼ばれる存在は、「神」を欲していた。そして神によって、自分が救済され、願いを叶えてもらえると。だから、魔法の源である「願い」を強く持つスラムの子どもたちを招いては、自分の願いを叶えてくれるように願わせていた。緋色の王様のもとには、二人の男がいた。一方の男は記憶を消去させる瞳を持ち、緋色の王様が願いを叶えたら、王様を殺そうとしていた。もう一方の男は……。
 そして、子供が大人になった時、子供はある場所に連れて行かれる。そこにいたモノこそ、王様が「神」と呼ぶ存在だった。
 今日も、スラムで一生懸命生きる子供たちを連れに、緋色の王様がやってくる。
 連れて行かれたが最後、子供たちは王様の願いを叶えるために祈るだけの存在になる。
 まだまだ謎が多いのですが、怖いです。不気味すぎます。
 これこそ、ダークファンタジーという印象を受けました。
 これからの季節にピッタリな作品。

 是非、御一読下さい。

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