赤色に閉ざされた世界には、何色もの鮮やか色が隠されている

読了後のレビューとなります。

短編として拝読させて頂いた時、【赤】という鮮明な色への恐怖を感じ取りました。【赤】という色からここまで広がっていく世界がある。驚嘆と同時に感じた深い恐怖。

長編として続きが読めると知った時の、恐怖を越えたワクワクした気持ち。物語を読み進めていく中、多くの絶望や恐怖を感じながら登場人物ひとりひとりに共感し、明かされていく事実に驚き続けました。

短編を読み終えた頃は、何度か繰り返し読むといくつもの違う見方が出来るのかな?という印象がありました。長編となった物語を読み進めながら、その印象は鮮やかな【色】の描写から来ているのかな?と思いました。
そうなのです、この物語には色彩ではない【色】が広がっているのです。


絶望・恐怖・苦しみ・驚嘆・登場人物達の叫びと想い。散りばめられた鮮やかな色が導いていく未来にあるものは何か。


是非見届けてほしいです。

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