この店のレシピは、優しさと思いやりで出来ている。
- ★★★ Excellent!!!
虚弱体質の少女は、理解ある両親と幼馴染に囲まれて生活していた。そしていつの頃からか、自分も食事で人の役に立つ店を持ちたいと思うようになった。お客さんの心も体も癒せる食堂を作る。それが主人公の目標だった。
料理の修行中に、ひょんなことから空き物件を手に入れた主人公は、念願だった自分の店をオープンさせる。和食をメインに、栄養バランスの取れた食事を提供するが、お客の事情によって提供するメニューを試行錯誤していくことに。
そんな中、肉好きの固定客が悩みを抱えて食堂を訪れる。なんと肉好きの彼の意中の相手が菜食主義者だったと言うのだ。そこで主人公はある策に打って出る。
この他、何が好きか分からない客や、太りたいと申し出る客など、個性豊かで悩みを抱えた人々が客としてやって来る。主人公は丁寧に話を聞き、客のことを考え抜くことで、心にも体にも優しいレシピを考案し、提供する。そのレシピは具体的で、試してみたくなる物ばかりで、表現はとても美味しそうだ。
しかし、やがて主人公はある悩みを持つ。自分は他人に支えられてばかりいるのではないか。そんな不安だ。そしてその悩みが、主人公の家族にまつわるある真実を明らかにしていくのだった。
レシピや料理の豆知識がぎゅっと詰まった一作です。
どのレシピも栄養などが考えられているので、本当に作ってみたくなります。
そして何より主人公の優しい人柄や、主人公を取り巻く人々の思いやりがとても心と体に染みてきて、思わずほっこりしてしまいます。
最近疲れていると感じている方、心の余裕がないという方にお勧めします。
是非、御一読ください!