どこか独白にも似た

ぬるい。
作中にたびたび出てくる言葉である。この言葉の意味することをふと考える。
主人公の一人称によって進み、その語りはどこか彼女の独白のようでもある。不倫の是非など問うつもりはなく、おそらく見るべきはそこではない。
ざらつき、甘く、ぬるい。
大人というのはある意味でこういうものなのかもしれないし、こんな愛もあるのかもしれない。
音もなくブレーキは踏まれ、そして進んでいく。ぬるさに浸るかのように。
どこか繊細で、そして揺れ動く様を丁寧に描き、色すら漂う。そんな作品でありました。
ぜひご一読ください。

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