第11話 この話、本当にこの人の?
コメントやレビューならタダだが、お金が動くといくつか心配なことがある。
一つ目は盗作問題だ。
web小説はコピペすれば一瞬で盗作できる。
そしてそれを確かめる術はない。
ある人の作品が素晴らしく、1000円あげたとする。その後、実はそれが盗作だと分かったらどうするだろうか? 返せとは言えない。
そして、完全盗作ならまだしも、話のストーリーがほぼ同じだが、言葉遣いなどが違うのは盗作になるのだろうか?
短編やショートショートであれば、ネタは命である。簡単にちょろっともらわれてしまった後に、お金のやりとりがあり、後々判明したらどうなるのだろうか? 自分が必死に考え思いついたアイデアで他の誰かが一儲けしていたとしたら……考えるだけでも恐ろしい。
実際、他のサイト「note」で、お金をあげる機能はすでに始まっているのは確認している。そこで私はweb上の作品にお金を払う、という経験をしている。
というのも、なんとそこで私が10年以上探していた小説が見つかったのだ。興奮冷めやらず、あまりにも嬉しくて1000円くらいは「サポート」という名義で送ったと思う。それは決して後悔もしていないのだが、ある時ふと思った。
——これ、コピペでも分からないよな——
レビュー、コメントならまだ可愛かった。
しかし、お金が絡むとなると人は変わる。
中には、昔webで公開された、いまや屍となっているどこかの誰かの小説を漁り、自分の小説と題しupし、荒稼ぎする輩もいずれ現れるかもしれない。
あとは恩返し問題である。
私の場合は基本、無条件のレビュー返しや★返しなどは一切しないのだが、(見にはよく行きます。面白くなければ何も残しません)お金に関しても、こっちはこれだけあげたのに、少ししか返ってこない、などのトラブルは間違いなく起こるだろう、これらの問題を解決する術はあるのだろうか。そこが心配である。
お金のやりとりに関しては面白いアイデアもここカクヨムサイトで見かけた。
結城藍人ケイドウエイ様の「カクヨム書籍化クラウドファンディング機能の提案」https://kakuyomu.jp/works/1177354054889091353
である。
確かに、一対一のみのお金のやりとりでは盗作、その他不正を見つけにくいかも知れない。ただ、最低10人なり複数の投資があった時点で初めて成立する、という形であれば不正へのフィルターになるかもしれない。
また、一人100円、というふうに、値段の限度を少なめに設定することで、少しでも大怪我を防ぐことは可能かも知れない。
そして何より、小説家の卵である私たちがほしいのは本当に「Web小説を書く人が直接収益を得られる環境作り」なのだろうか。
「Web小説を書く(読む)人の環境作り」なのではないだろうか。
追記:2020年8月26日
恐ろしいことにまさにここで書いたことが現実となってしまった、しかも「note」で。この記事にコメントいただいた方がエッセイで生々しく報告してくださっているので、興味のある方は是非ご覧いただきたい。
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