ねじの巻き加減

 一歩ずつ足場を確かめるようなお話の展開で、謎の老人が全ての答を知っているようでもあり、彼自身もまた謎の一部そのものだとも考えられる。
 世間に対し必要以上にかかわりを持たないという主人公の態度が吉と出るか凶と出るか、その辺りを注目しながら読むと筋の進行がしっくりくるのではないだろうか。
 主人公には負けず嫌いな印象を受けた。自分の抱える漠然とした記憶を、諦めずに追っていって欲しい。