平成細雪奇譚　クライシス・レイルウェイ

平成７年３月２０日。東京。

巨大カルト宗教団体により「地下鉄サリン事件」が引き起こされた。
被害者数　３千人以上。
一国の首都に化学兵器がばら撒かれた、人類史上例のない惨事は、総力戦を以て立ち向かった医師たちによって、その特効薬が有機リン系製剤「ビム」であることが判明する――。

日本で唯一、ビムを扱う製薬卸問屋の職員　片桐は、名古屋から東京へ大量の在庫を送る任を託された。
彼は東海道新幹線を使い、沿線で各支店の在庫をピックアップする作戦を立てる。
その護衛のため２人の刑事と、ある人物が送り込まれた。

姉ヶ崎　雪凪(せつな)。妖怪組織　八咫鞍馬に所属する雪女だ。

何事もなく、各駅でビムを回収していく彼らだったが、突然雪凪に緊急連絡が入る。
「その列車に、妖怪ウィルスを所持した人物が乗っ…続きを読む