残念な出来事のあとには嬉しい出来事が起こる
発端は一応カクヨムに関わる話で、でもメインは他サイトにおける話。それも「カクヨムと他サイトの比較」みたいな一般的な内容ではなく、むしろ私の個人的な話になるのですが……。
かなり以前にこのエッセイで書いていたことにも関わるので、ちょっと話題にしてみようと思います。
まず話の発端は、先日結果のあったカクヨムコン中間選考。長編が通過できないのは当然としても、今年は短編の方も全滅でした。
3月16日のエッセイでは、
> おそらく来年も私は短編メインになるでしょうが……。無理矢理にでもポジティブに考えるならば、これで今後は「いつも中間通過しているのだから、今回も中間選考だけは通過しないと」というプレッシャーから解放された。それが今年の収穫でしょうか?
と締めくくりましたが、やはり「無理矢理」でした。
なかなか前向きな気持ちになれず、かなりショックを引きずっていたのです。
ちょっと気が早いかもしれませんが、今年の応募期間が終わった時点では、PCの中で『「カクヨムWeb小説短編賞2023」転載予定』というファイルを用意していました。
でも、そこに記載していたストック8作品のうち「次回は厳選して応募しよう。これとこれはカクヨムコンには応募せずその前に投稿して、このファイルからも削除して……」と、大幅な予定変更を考えたほどのショックでした。
……という書き方をすると「今から来年の計画を考えるくらいならば、やっぱりカクヨムコンが楽しみなんじゃないか」と言われそうですが、応募作品を減らすということは参加規模の縮小であり、そう考えるようになったこと自体が私にとってはショックの大きさの
そんなわけで、私としては落ち込んでいた数日間。ここまでが今回の記事タイトルの前半『残念な出来事』なわけですが……。
人生というのは上手く出来ているもので、楽あれば苦あり、苦あれば楽あり。坂もあれば山もあるし、不幸と幸福は交互にやってくる。
同じ執筆活動という趣味の中で、しかもコンテスト関連という意味でも同じ中で、今度は『嬉しい出来事』が起きました。
昨日の夕方です。カクヨムではなく「エブリスタ」のコンテストになりますが、私の応募作品が受賞したのです!
コンテストの受賞扱いは2021年9月、2022年1月、2022年9月に続いて4回目。4月から3月までの「年度」で考えれば、昨年度だけで2回、今年度も2回受賞できたことになります。
今回の受賞そのものも嬉しいですが、年間2回ペースで受賞できるようになったと考えれば、それこそ喜ぶべき出来事です。
しかも今回は今までと異なり、初めて「賞金がいただける賞」の受賞。これまでの「受賞扱いだけど賞金はナシ」と比べると、なんだかステップアップできた気分!
嬉しいことずくめであり、カクヨムコン短編の中間選考全滅によるショックを吹き飛ばすような、本当に大きな『嬉しい出来事』でした。
……と、ここで終わってしまったら別のエッセイ「落選カレンダー」で書いた話とかなり重複しますし、わざわざこちらのエッセイで取り上げる意味もない。
こちらで敢えて語りたいのは、今回受賞した作品についてです。
カクヨムでも連載中の作品で、作品タイトルは『スローライフで謎を解け、釣り好き悪役令嬢!』。
もしかしたら、覚えておられる方々もいるでしょうか?
2020年11月から2021年1月にかけて、このエッセイで何度か話題にした作品です。
カクヨムコンに参加したくなってくる ――こんな長編を書いてみたい――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055036991561
続・カクヨムコンに参加したくなってくる ――そもそも応募するとしたら部門はどこ?――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055058904942
続々・カクヨムコンに参加したくなってくる ――ついに書き始めてしまいました――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055244631438
続々々・カクヨムコンに参加したくなってくる ――第1話の加筆修正および第2話の執筆――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055260354387
続々々々・カクヨムコンに参加したくなってくる ――書いて面白いからといって読んで面白いとは限らない――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055272038271
続々々々々・カクヨムコンに参加したくなってくる ――タイトル変更します!――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055295697300
カクヨムコン(2020年)私の参加状況(その2) ――予定を大幅に前倒しして連載開始!――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055306730079
カクヨムコン(2020年)私の参加状況(その2・補足) ――先行投稿もう少し続きます――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055326209885
カクヨムコン(2020年)私の参加状況(その2・補足2) ――心配な第3話を投稿、とりあえず原稿は一区切り?――
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055334038218
元々は、私にとって2年目のカクヨムコン「第6回カクヨムWeb小説コンテスト」に際して考えた作品でした。
しかも最初は、頭の中で構想を練るだけ。「今は忙しいから執筆は無理」と思っていたのに、カクヨム全体に漂う熱気みたいな雰囲気に当てられた形で、カクヨムコンに応募したい気持ちが強くなり、執筆スタート。
そんな経緯でした。
ただし、やはり「今は忙しいから執筆は無理」というのが現実でした。その時のカクヨムコンでは、2020年12月18日から12月24日までの1週間、第1話から第7話まで投稿しただけでストップ。応募もキャンセルする形になりました。
なお原稿は2021年1月時点で第8話まで用意していましたが、内容的な区切りを考えて、当時の冬の段階では、第7話までの投稿に留めていたようです。
その後、しばらくそのまま放置していましたが……。
2021年3月になって「エブリスタ」に転載したのは、コンテスト応募のため。「あなたの小説が5P分マンガになる!ファンタジーコンテスト」で、テーマが「悪役令嬢が登場する物語」だった時です。「文字数は5,000文字以上、20,000文字までの内容で選考」というコンテストであり、文字数的には合致するし悪役令嬢も登場するので、とりあえず出しておいたのですね。
当然のように落選しましたが、改めてコンテスト応募履歴を確認すると、その後2022年8月に「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン『一癖あるヒーロー/ヒロイン』」にも応募していました。文字数の規定が「文字数は20,000文字以上、20,000文字まで読んで選考」というコンテストです。
こちらも落選しましたが、これらのコンテスト応募に際して、ストックしてあった第8話も投稿したようです。「エブリスタ」版は途中のエピソードの更新日時が不明なのですが、カクヨム版の方では、おそらく「『エブリスタ』の方で既に投稿したから」という理由で、2021年5月に第8話を投稿しています。
そして2022年11月。やはり「エブリスタ」で今度は「スローライフ」テーマのコンテストが開催されました。「新星ファンタジーコンテスト」の第10回です。
この「新星ファンタジーコンテスト」は「文字数は5,000文字以上、20,000文字までの内容で選考」という文字数規定であり、私としては「5,000文字以上20,000文字以内の短編を応募するコンテスト」という認識でした。テーマが「料理/グルメ」だった第7回では実際、約9,000文字の短編を応募して佳作を受賞できたので、よけいにそう思ったのでしょうね。
でも応募規定としては長編でもいいし、しかも完結済みでも連載中でもOK。これまでそうした作品もたくさん受賞しているようです。
ならば、私も『スローライフで謎を解け、釣り好き悪役令嬢!』が応募できるはず。せっかく作品タイトルに「スローライフ」とある以上は「スローライフ」テーマのコンテストに出してみたいし、特に序盤はほとんど釣りの話しかしていないので、その意味でもスローライフ要素が強いはず。
そう考えて応募したわけです。
ついでに、今回の応募に際して少しだけ物語を書き進めました。既に文字数規定は満たしていたし、本当に「20,000文字までの内容で選考」ならばそこまでで十分なのですが「実際には20,000文字以上読んでいただけるかもしれない」と期待したのです。
応募締切は1月9日で、そもそも応募したのは締切ギリギリだったようです。この「少しだけ物語を書き進める」の影響でしょうね。続きの投稿は「既に文字数規定は満たしていた」なので応募締切が過ぎても続けて、1月前半に第11話まで投稿する形になりました。
まだ物語全体の内容としては、起承転結の「承」の途中ですが、ちょうど「日常の小さな事件の謎を解く」という話のひとつの終盤。その真相を一言でバーンと告げるところで第11話は終わっています。第12話で詳しく説明する予定ですが、とりあえず「真相を一言でバーンと告げる」までやっておけば、事件解決っぽい雰囲気も出るでしょうから、何とか格好がつくのではないか。そのように考えていました。
なお、この第11話までは、カクヨムの方でも投稿しています。カクヨムコンの時期を避けて、2月後半になってからの投稿でした。
また「小説家になろう」の方にも投稿していますが、そちらは第8話まで。2021年12月19日から12月21日の3日間で投稿していました。おそらくコンテスト応募のためでしょうね。いくつかのコンテストに応募して落選しているのだろう、と思って手元のファイルで確認してみると、意外にも「小説家になろう」の方でコンテストに応募したのは一度だけ。ただし途中選考もあるコンテストで、一次選考の段階で落選していました。
基本的に「エブリスタ」のコンテストは重複応募不可なので、「小説家になろう」の方でコンテスト応募回数が「意外にも一度だけ」となったのは「エブリスタ」のコンテストに応募中で、タイミングが合わなかったせいかもしれません。
今回の「新星ファンタジーコンテスト」でも、落選が確定次第、また別のコンテストに応募するつもりでいました。応募したいコンテストとして「『新星ファンタジーコンテスト』は3月下旬発表予定なので、落選確定してからでもあちらには間に合う」と考えていたのが、カクヨムの「賢いヒロイン」中編コンテスト。
2023年2月13日のエッセイ記事で、
> 他にも異世界ファンタジーで「女主人公が謎解き」みたいな話を書いているので、そちらも出来れば応募したいですが、それはまだ未完結。文字数としては約34,000文字で、カクヨム投稿分は約26,000文字。
> 応募規定を見ると「作品形式等」のところに『本文が20000字以上60000字以下』、「注意事項」のところに『応募受付期間中に作品が完結している必要はありませんが』と書かれているので、文字数的には応募できるのですが……。
> やはり「謎解き」場面まで辿り着かないと「賢さ」を表現できないでしょうし、そもそも長編のつもりで書き始めた作品なので、中編コンテストには不向きのはず。
> とはいえ、どうせ「カクヨムコン期間中は更新を避けて、終わったらもう少し書き進めてから、少しだけでも連載再開しよう」とも考えていたので、ある程度まで書けたらこれを応募するのもアリかも。
と書いていたのが、この『スローライフで謎を解け、釣り好き悪役令嬢!』のことでした。
しかし、その前に別のコンテストで受賞。「賢いヒロイン」中編コンテスト応募予定は泡と消えましたが、これは「残念ながら」ではなく「嬉しいことに」と言うべきでしょうね。
ちなみに「新星ファンタジーコンテスト」は商業化とは無関係のコンテストです。だから、ただ単にコンテストで評価された、というだけ。
商業化とは無関係なので、コンテストの説明を読んでも「受賞作の出版権はコンテスト主催者へ」みたいな記述はありません。
私はこれまで「一度どこかのコンテストで受賞した作品は、たとえ出版権などを押さえられていなくても、もう他のコンテストには応募しない」と考えていました。そういう記述はないにしても、受賞させていただいた段階でもう出版権など商業化の権利はコンテスト主催側へお渡しする、という気分だったのです。
ただし、これは今までの受賞が短編ばかりだったから。でも今回は長編、しかも連載中の作品です。今後コンテスト応募などが一切できないとしたら、続きを書いていくモチベーションが低下するかも……?
ならばこれまでのポリシーを曲げて、もしも応募できるならば――「他のコンテストで受賞済みの作品は応募できません」みたいな記述がないならば――他のコンテストにも応募してみようか?
まずは予定通り「賢いヒロイン」中編コンテストに……。
そう思ったのですが、改めて「賢いヒロイン」中編コンテストの応募要項を確認してみると「注意事項」の項目に、
>なお、本コンテストの結果発表前に、応募作品が本コンテスト以外のコンテスト等で受賞した場合には、選考対象外となります。
という記述がありましたね。
今まで「自分には無関係」と読み流していましたが、そういえばカクヨムのコンテストではいつも同様の記述があったような気がしますし、このエッセイでも以前に触れていた気がします。
そして「エブリスタ」の方でも、個々のコンテストのページにはそれらしき記述はないものの、「エブリスタ」全てのコンテストに共通する「注意事項」のページを改めて読み直してみると……。
最後の最後に、こんな記述がありました。
>受賞者は、受賞作品に関する権利を他人に譲渡、貸与、担保提供等することはできません。
これも「『受賞者』限定の話だから、自分には関係ない」と考えて、今まで読み流していた部分ですね。でも「エブリスタ」だけでも今回でコンテスト受賞は3回目ですから、もはや「関係ない」なんて思ったら、謙遜というより嫌味になりそうです。
出版権などをキープ……みたいな直接的な書き方ではありませんが、『受賞作品に関する権利』の『他人に譲渡』を禁じる。これは上手い書き方だなあ、と感じました。
一見すると「『受賞作品に関する権利』って著作権のこと? 著作権を他人に譲渡したりしないのは当然だよね?」と思ってしまいそうですが……。
著作権だけでなく、出版権など商業利用の権利も当然『作品に関する権利』の一部ですよね。
Webにおける商業連載だったり、短編の書籍収録だったり。それらの経験を踏まえて想像するならば、一般的に商業化の際には契約を結ぶことになり、その中で「出版権など商業利用の権利を出版社側に譲る」みたいな言葉が出てくるはず。その譲る見返りとして、作者側は原稿料なり印税なりをいただけるわけです。
そう考えると、これは受賞作品の商業利用を禁じるための条文! 言い方が違うだけで「出版権などを『エブリスタ』側でキープ」という意味なのでしょう。
よそでの商業利用が禁止されたら、もう書籍化を前提とするようなコンテストには応募できませんね。書籍化とは完全に無関係な、単なるイベントみたいなコンテストは例外として、原則的には「『エブリスタ』でコンテスト受賞した作品は、もう他ヘは出せない」という話になります。
というわけで『スローライフで謎を解け、釣り好き悪役令嬢!』に関しては、もうコンテストに応募することはなく、ただ純粋に続きを書くとしましょう。
せっかくコンテストで評価された作品なので、少しずつでもいいから書き続けて、なんとか完結まで持っていきたいです。
まあ「ただ純粋に」とは言いながらも、少しだけ「書籍化とは無関係のコンテストとはいえ、一応は受賞作品なのだから、もしも長編としてきちんと完結させたら『エブリスタ』から何か声をかけていただけるかも……?」という淡い期待も考えてしまうのですけどね。
少し話が横道に逸れましたが。
投稿の経緯を改めて振り返ってみると、以上のように、紆余曲折を経た上でのコンテスト受賞となりました。
一番のポイントは、元々カクヨムコン向けに書き始めたということ。しかも、もしもカクヨムコン時期のカクヨムユーザー皆様の熱気に当てられなかったら書き始めることはなく、おそらく今でも頭の中だけに眠っていただろう、ということ。
そう考えると、カクヨムコンのおかげで受賞できたコンテストですね!
「風が吹けば桶屋が儲かる」ほどではないですが、何がどう回り回って幸運に結びつくか、本当にわからないものです。
このように、たとえその時は結果に繋がらなくても、それが芽となり
そんな気持ちにもなりました。
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