絹の夜着にそでを通すように、しゅるりと読める短編です


 それは一晩だけの護衛のはずだった。
 古来より続く鬼祓いの家に生まれた少年・一弥。彼は父より、夜な夜な現れるという男の幽霊に魅入られた少女を守るよう命じられる。だが、事態は予想以上に切迫しており……。

 いにしえより現世に在りつづけた強力な鬼と戦うことを余儀なくされる一弥。父への恨み言をつぶやきつつも、少女を守るために彼はぎりぎりの戦いに挑むことになる。


 夜の闇と、怨霊を彷彿させる鬼。狩衣に身を包む少年祓い師。
 独特の雰囲気と、過不足なく完成された物語世界。ストーリーは短いながらも、ちゃんとひねりがあっていいです。
 しゅるりと読んで、ひんやりと楽しめました。

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