シリアスからコメディーまで尖りまくっている怪作

とにかく何が飛び出すのか分からない短編集。

企画というか、お題というか、小さな踏み台から飛び出した作品は、予想を超える高さで飛んでいきます。

社会情勢を切り取ったような真面目な作品、リビドーがダダ漏れの怪しい作品、とにかく笑わせるコメディー。
どの作品も同じ作者から生まれたものです(そのはずです)。

この方向性のふり幅が凄いのはもちろんですが、それぞれのジャンルでちゃんと尖っているところが素晴らしい。
しかもこの作者ならではのなんとも楽しい雰囲気が根底に流れている。
すごく書き手の個性が現れているな、と読みながら何度も思いました。
そのあたりがこの一見バラバラな短編集をきれいにまとめ上げているのだろうと。

カクヨムのお題コンテストに参加した方なら、さらにちょっとしたノスタルジーとか思い出に浸れることでしょう。
参加してない人であれば新鮮に楽しむことが出来るでしょう。

まぁ、理屈抜きにとにかく楽しい作品集です!

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