「瀬戸内海」と聞くと一人で勝手に「イカナゴ」を連想し、「明石」となると「マダコ」を思い浮かべてしまうのですが、この作品では、そのすぐ近くの海に人魚がいます。物語は身近な日本の海から始まり、日常と幻想の間を行き来し、『甘さ』と『怖さ』が寄せては返します。読み終えた後に、作者のコメントを拝見したら、これは作者の狙ったとおりの作品で、狙ったとおりの作品を作った作者の力量に驚きました。そんなわけで、みなさん、まずは人魚を探しましょう。
"ぼく"が須磨海岸で体験する奇妙な出来事……。レビューで感想は書けません。まずは読んでみてください。結末を読んでからの『九月からがほんとうの海』のタイトルを考察するのも楽しいかもしれません。
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