2. 須磨浦を泳ぐ
ぼくは、海を
九月の海には、人の気配がない。
岸から突き出した
ぼくは、九月の海が好きだ。八月の海にあるものが、何もないからだ。
ぼくは、砂浜のいつもの場所に着いた。
バスタオルの入ったバッグを置き、服を脱いだ。水泳着は、服の下に着ている。軽く体をほぐしてから、海の中に
海水は、
須磨海岸は、年々、打ち寄せる波に
二十歩も踏み込めば、大人でも足が立たなくなってしまう。
ぼくは海水に体を
海水は
ぜいたくは言えない。ここは南の島の
ぼくは息を
泳ぎを止め、振り返った。岸は遠い。ここで
ぼくが
そこに
平泳ぎに
そのとき、
水面に
ぴちぴちした、
そのとき、小さな
ぼくの体は、今までの
ぼくは、激しい
ぼくの手足は
ぼくの
ひとりで泳ぎ出たのだから、いつかこうなると分かっていたのだ。
ぼくの手足はもがくことを止め、ぼくの体はゆっくりと、海の底へ沈んでいった。
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