7. 人魚たちの未来

 浮遊生物学の博士は、防波堤に立ちくし、夕日に赤くめられながら、ひとりつぶやいていた。


 「生命が持つ、生きようとする力は、はかり知れない。

 いつの日か、人魚病カイアシが、宿主しゅくしゅ共生きょうせいすることに目覚め、海水に開かれた、開放型かいほうがたえらを作り出すことができたら……。

 その日まであの二人が生きびることができたら、あるいは……」

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九月からがほんとうの海 星向 純 @redoceanswimmer

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