大人は、もうこれ以上、悲しいことを見たくないんです。安心してください。この童話の中では、悲しいこと、目を背けたいことは、なにひとつ起こりません。この作者さんの文章には、不思議な面白みがあります。会うは別れの始め、でも、新しい出会いがきっとあるからいいじゃない? といった、飄々とした雰囲気が。どこかちょっと気掛かりなところがある、おだやかさが。仲の良いイルカの家族が、ある日、大嵐に巻き込まれます。幼いイルカは、群れからはぐれてしまいました。そこへ、一頭のサメが……。
お母さんが子供に読み聞かせたいお話です。家族とはぐれてしまった幼いイルカくんの気持ちがていねいに描かれています。