くたびれた冷えた手の帰る場所

あるとき老人が駅で拾ったのは、機械仕掛けの左手だった。
左手には視覚も聴覚もあり、筆談による意思疏通もできた。
老人は左手を家に連れて帰り、ライトと名付けて可愛がる。

何か仕事をしたい、誰かの役に立ちたいと言い出すライト。
冷たく正確で、あまり力強くはないその左手が何を為すか。
老人とロボットアームのささやかな成功と温かな日常風景。

ライト氏、かわいい。

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