真剣である事の大切さと楽しさを感じます

 題名、あらすじからは、どうしても「織田信長」という存在との間に、凄まじいギャップを受けましたが、読み進めていくと、「案外、ありなのでは?」と思えるから不思議です。

 歴史上の人物として、ありとあらゆる作家、研究者から掘り下げられ、日本で1、2を争う人物である信長ですが、それ故に誰が書いたとしても、現実の信長が頂点に存在し、フィクションとしての面白さが損なわれない存在ではあるのですが、今作、それが一段と色濃くあるため、「アリだ」と感じたのだと思います。

 戦国時代の人が現代に来ているのだから当然、戸惑いがあり、それを描いてもいるのですが、それ以上に感じるのは、「常に真剣である」というのが古今東西、人間の活動に於ける基本だと感じさせられるのが、とにかく痛快です。

 遊びだからこそ、遊びだけれど、遊びも…色々と言い方はあるのですが、「真剣であるから楽しい」「真剣である事は大切」という事を、説くに強く感じました。

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