第12話 だから私は書籍化作家にはなれない
※本作は心の思うままに書き殴っているので、文体とかメチャクチャです(爆)。「ですます調」と「だ、である調」が混在してるし、一人称もときどき崩壊してます(笑)。何とぞご了承ください。
第一部の最終決戦までは書き終わった。異世界からの侵略だったという伏線も一応回収した。これで、あとはエピローグにつなぐだけだ。
ここで、前に書かなかったことの補足。「竜神の宝玉」について。これはもう、元ネタがバレバレ(笑)。竜神様の名前を「ピッコロミーニ」にした時点で思いついてしまったのですよ。
しかし、
この手の複合ギャグ大好きなんだよねえ。どっちも大勢が知ってる前提でないと受けないけど。ただ、知る人ぞ知る系のギャグを混ぜるのも結構好きだったりする。それが感想欄でツッコミ入ったりすると嬉しい(笑)。
さて、本論に戻ろう。
実の所、今回のテンプレチャレンジは見事に「失敗」した。「なろう」でポイント1,300台でブクマ500未満では、トップランカーを目指してのチャレンジとしては失敗と言っていいだろう。
敗因は色々とあるが、結局のところ「テンプレ」を読み誤っていたということに尽きる。いろいろと「テンプレ」に寄せようとはしたが寄せきれなかった。
それから、「テンプレ」として有効だろうと思った設定が、逆にバックファイアを起こしていたというのもある。
また、「テンプレ」に振り回されて、展開や描写が雑になっていたというのもある。
要するに、中途半端だったわけだ。作品としての出来も、実の所過去作に比べると劣っている気はする。
ただ、これで学べたことは色々とある。オリジナル設定をどこまで入れるか。どこで説明するか。ターゲットに合わせて、どの部分の描写に力を入れるか。今後の創作活動において、非常に参考になる知見が得られた。
チャレンジしたことは無駄ではなかったと思う。
その一方で、これで「踏ん切り」がついたというのもある。
実のところ、昨年(2018年)の後半あたりから、「ポイント」とか「ランキング」とか「コンテスト」とか「書籍化」ということに、そんなに魅力を感じなくなりつつあったのだ。
まず、連載執筆しているのが毎日二千字執筆の練習用エッセイ『燃えよ、ロボ魂!!』一作だけだったというのはある。これは完全にポイントも得られないしランキングに入るような作品でもない。コンテストは唯一のエッセイコンテストであるアルファポリスに応募して色々と頑張ってみたが、やっぱり駄目だった。
そのあたりで、ポイントとかコンテストとかを熱心に追求しようという気分が、どんどん抜けてきていたのだ。
それには、明確な理由がある。「書籍化」というゴール自体に魅力を感じなくなりつつあったのだ。
これは、ひとつには「なろう小説バブル」の崩壊がある。レーベル自体がつぶれたところがある。書籍化しても一冊売れなければ二冊目は出ない。コンテストで賞を取った作品でもそうなのだ。書籍化したって、よっぽど売れなければ先が無いのである。
もうひとつは、その「書籍化」も甘くないということがある。これは、友人の書籍化作家様の裏側を見せてもらったからこそ気付いたことだ。
その作家様(あえて名前は伏せるが、わかる人にはバレバレだろう)の作品は、カクヨムの方のコンテストで賞を取って書籍化されることになった。だが、内容は全面改稿で元の要素なんかキャラ名と舞台設定ぐらいしか残っていない。
その書き直しの過程で、下書き原稿を見せてもらって誤字や誤用の指摘をしたり、アイデアを提供したりしたのだ。
その書き直しで、その作家様は何と十万字の書き直しを二回もしている。十万字捨てているのだ。
何という厳しい世界!
そして、その改稿の過程で、元の作品の要素はズタズタに切り裂かれて、元の作品で作家様が書きたいと思っていた要素やアピールポイントだった部分はほとんど皆無になった。受け線じゃないということで削られていったのだ。
元々ご本人は「ラブコメは苦手」と言っていた。実際、あまり手慣れている様子は無かった。ところが、書籍化した完成作は「お色気ラブコメ路線」に仕上がっていた。
この十万字を二回捨てて、編集者の指摘に従って書き直した結果として、その作家様はラブコメの名手になった。その作品が出たあとで書いたラブコメ作品は「なろう」のランキングでも一時上位に上がっていた。元は苦手だろうと書けば上手くなるのだ。まあ、ご本人は今でも「ラブコメは苦手」とか言ってるけど(笑)。
この過程を裏側から見ることで、私の中で「書籍化」というものに対する憧れのようなものが、どんどんと削れていったのだ。
ここまでしなければ「書籍化」できないのか。ここまで「受け線」狙いでないと出版できない世界なのか。
自分は完全にアマチュアである。プロではない。だが「作家」ではある。物書きの端くれではある。
書きたいものがある。譲れない部分がある。
だが、今「商業出版」をするためには、「書籍化」するためには、そこを譲らないといけないのだ。
もちろん「書きたいもの」と「売れるもの」が一致している場合は、そんなことにはならないだろう。
だが、恐らく「私の書きたいもの」は「売れない」。
何しろ、そこのところで「売れ線」を目指して書いたテンプレ作品すら、大して当たりはしなかったのだ。
仮にマーケティングが当たって「なろう」で高ポイントを取り、そこで「書籍化」という流れになったとしても、やっぱり大改訂が必要になるだろう。
そこで編集者に「こうしろ」と言われたような内容に書き直せて、なおかつそれが面白いというタイプの「職人」はプロになれるのだろう。
残念ながら、私はそういう器用なタイプの作家ではない。
そして、もうひとつ。
「なろう」受けするテンプレ作品が書籍化されたとしても、それはより広い「出版界」や「ラノベ」の世界では異端に過ぎないということだ。
それはもう、先に書いた「書籍化されても売れている作品は限られる」ということに尽きる。大半の作品は、一般書籍市場では鼻にもひっかけられないということだ。
もちろん売れている作品はある。だが、それは元々から一般書籍市場でも通用するだけのクオリティを持っているからだ。仮に「なろう」での高ポイントがなかったとしても、公募なりブログ発なり何なりの形で一般書籍市場に出ることができるだけのクオリティがあったということだ。
今回「なろうテンプレ」に挑戦してみて、そのことがはっきりとわかった。「なろうテンプレ」にアジャストした場合、一般的な小説としての完成度は、ラノベとして見たとしても、間違いなく下がる。これは断言できる。
もちろん、「なろうテンプレ」かつ「小説としての完成度が高い」作品もあるだろう。そういう作品を書ける天才もいるだろう。
ただ「なろうテンプレ」の支持層は、明らかに「小説が好き」な層とは違う。乖離がある。以前から漠然と感じてはいたが、そのことがハッキリと理解できた。
その一方で、「小説が好き」な層も一定数はいる。ただし、少数派でしかない。さらに、その中でも「好きなジャンル」が分かれているので、その層を狙った場合にはランキングの上位には入れない。
つまり、プロの作家になりたいという場合に「なろう」経由を狙うのは間違いなのだ。
一見お手軽に見えるし、ランキング上位のテンプレ作品の内容を見たら「これなら俺の方が上手い小説が書ける」と思う作家志望のワナビは、孔明の罠に引っかかっているのだ、ジャーンジャーン!
だって、そのランキング上位を支持しているのは「小説が好き」な層ではないのだから。一般的な「小説」を購入する層ではないのだから。
だから「テンプレ批判」が出るのだろう。「こんなはずじゃない」と思うのだろう。
間違ってるよ、君たちは。
もちろん、私もだったが(笑)。
そして、そのことに半ば気付きかけていた私は、今回のテンプレチャレンジで、そのことを実際に体感できたと思っている。
だから、私はもうポイントを獲得してランキング上位を目指すことも、コンテストに参加することもやめようと思う。
コンテストの方だって、結局は改稿改稿で書きたい部分はズタズタにされるのだろうから。
まあ、カクヨムコンはお祭りみたいなものだから、次回も記念参加ぐらいはしてもいいかなと思ってますけど(笑)。今回短編コンテストの方に出した『愛の伝道師うみ』みたいな、絶対に通りそうもないような作品で参加するくらいのシャレはやってもいいかな。
結局、無謀なチャレンジだったということに変わりはないけど、でも今回のテンプレチャレンジはやって良かったと思っている。
一度もチャレンジしないでランキング戦線から撤退するんじゃなくて、挑んでみて、やっぱり力及ばなかったことで納得はできたから。
……と、ここが最終回ぽい結論になってますが、そうではありませんよ。
もうちっとだけ続くんじゃ(笑)。
~~~~
本日のテンプレ作品の現状!
『スライムしか召喚できないのでパーティーを追放されたけど同じ境遇の美少女たちと協力したら無敵スライムが生まれて一発逆転できた上にハーレム状態になっちゃったんですけど』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887440465
2019年1月18日6時~6時半頃の状況(前回1/15の数値からの変動)
「小説家になろう」
PV:73,852 → 80,226
ポイント数:1,368 → 1,368
ブックマーク数:491 → 486
ランキングはランク外のため記載せず。
ブクマが削れています。やっぱり肉食系は駄目だったか(笑)。それとも、レインボゥにダメージが入っただけでも削れたのかしらん? まさかねえ。
実は、昨晩見たときはポイントも削れていたのですが、現状維持に戻っています。評価してくださった方がいたんですね。ありがたや、ありがたや。
「カクヨム」
PV:2,490 → 2,957
★数:51 → 51
フォロワー数:71 → 74
カクヨムコン異世界ファンタジー部門週間ランキング:33位 → 58位
カクヨムコン総合ランキング:69位 → 158位
こっちはじわじわとフォロワーが増えていますね。嬉しい限りです。ランキングはがた落ちですけど、もういいや(笑)。
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