蛍火や朧月のように輝く、身を切るような切なさ

 恋、道ならぬ恋、きれいごとだけでは済まない世界の表現に、とても惹かれました。問いかけ系やお願い系の描写もたくさんありましたが、とても女性らしいと感じました。
 かつて向田邦子さんは、生前、「皆きれいごとばっかり。私はセックスが描きたいのよ」とどなたかに語ったと記憶しておりますが、そうした女性と男性のどろどろした世界を醒めた目で本当に描けるのは、結局は女性なのではないかなと、勝手に考えています。
 源氏物語だって、女性が描いたのです。
 星都さんの描く女性には、男性から見ると、かわいらしさや恨みつらみなども強く感じられますが、素直に描写されていると思います。
 詩や短歌や小説を読むことは、いわば疑似体験ですが、私は一気に48作品を読みました。それは短時間ですが、とても濃密な貴重な体験でした。
 ☆はたくさんつけました。
 星都さんの描く世界に私を連れて行ってくれて、本当にありがとうございました。                                                 羽音より

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