このお話のジャンルはホラーですが、見る人によって現代ドラマにも恋愛モノにもなると思います。
もちろん怪奇現象は起きます。だけど読んでいて思ったのが、怖いのは生きている人間だと言う事。この物語の中には、人間の悪い部分が多数描かれています。
特別支援学級の担任の先生の事を、蔑む目で見る同僚の先生。モンスターペアレントな保護者。そして子供を蔑ろにして、まともな生活をさせない親。
中学校教諭の主人公、行橋先生は人間関係で苦しみながらも、悩みを抱えた生徒にぶつかっていくわけです。ストレスで身体を壊したり、ちょっと頼りない所もある先生ですけど、生徒を思う気持ちは本物。真っ直ぐな態度で生徒にぶつかっていきます。
え、ここまでレビューを読んでて、怖い要素はあるかもしれないけど、全然恋愛モノっぽくは無いと思ったって?いえいえ、ちゃんとあるのでご安心を。
芯が強くて、家庭に問題がある生徒に体当たりでぶつかって行く、ボランティアコーディネータ―の女性、香川さん。彼女の存在が、この物語にラブを運んできてくれます。
虐待や不登校など、話のテーマは重たいですけど、恋愛要素を加える事で暗い話にはならずに、むしろドキドキでラブラブな雰囲気すら漂わせるのです。
ホラーが読みたいけど、恋愛モノも読みたい、現代ドラマにも興味があると言う方。このお話なら一作品で多数のジャンルを網羅できます。ぜひ読んでみてください。
既存の価値にとらわれず、常に新しいジャンルを作り出す作者様。
そんな武州先生の新しいジャンル「恋愛ほのぼのホラー小説」です。
ホラーなんですよ、読んでいくとホラーなんですけど
ほのぼのとして、恋愛要素が絡んで、「爆発しろ」と念じてしまうお話なんです。でも実際はホラーです、怖いです。といいながら、ほのぼのとさせられます。
このお話の中に出てくる怖さの根源をたどって考えてみましたが、怖さの根源は人間なんですね、やっぱり人が一番怖い。でも人は人に癒やされますし、人は人に愛されるんですね。
そういう人と人との関係は、やっぱり大事にしないといけないな、家族って大事だな、そんなことを教えてくれる「恋愛ほのぼのホラー小説」。
みなさんも是非ご一読下さい。
今回も中身のレビューは何一つ書けませんでしたが、伝えたいことは伝えきりました!! 「恋愛」と「ほのぼの」と「ホラー」は共存出来るんです!
ホラーです!
皆さん、ホラーですよ!
もうジャンルがホラーですからね、そりゃあ身構えて読みましたとも。青嵐さんのホラー怖いんですもん。
でも、安心材料があるわけです。
その名は。
『恋愛要素有り』
しかも念押ししてますから。
こりゃあ大丈夫だと。夜のトイレも怖くないぞと。
ところがですね、なかなかその恋愛要素がやってこない。その代わりに、ホラーじゃないはずの部分でぐいぐい怖がらせてくるわけです。
え?大丈夫?この感じでラブ来る?
そんな中、颯爽と現れる恋愛要素、香川さん!
コメント欄も拍手喝采の大賑わいですよ。
恋愛部分は安定のキュンキュンで、ホラーは安定のブルブルで。
もーとんでもないジェットコースターです!
これは読んだ方が良い!
絶対に!!
これ以上ないくらいの『幸せな家族』をぜひ!
中学校で特別支援学級を受け持つ行橋先生。
心身の不調を抱えつつも、ボランティアコーディネーターの香川奏良さんとともに、転校してきてから、ずっと不登校の田部くんの対応にあたるが……。
まだ序盤で、タグの内容が、これからどう出てくるのかすら読めず、わくわくと「待ち」の状態なのですが。
ほんと、たくさんの方に読んでいただきたい! この物語を。
学校内部という、知っているようで知らない世界を描くお仕事小説の一面を持っていますが、そこで日夜頑張ってらっしゃる先生方、そして一緒に不登校に対応していくボランティアコーディネーターさんなどのお話は、「こんなケースもあるのか!」という目から鱗の驚きでいっぱいです。
そして同時に、目から熱い涙も……。
まだ序盤なのに! それなのにこんなに泣いてたら、読み終わった時には干物になっているんじゃなかろうか……(涙腺がすごく緩い自覚はあるのですが)
作者様の、温かく真摯な人柄を感じずにはいられない素晴らしい物語。
これからどんな風に展開していくのかわかりませんが、最後まで、がっつり味わわせていただきます!
「世界はそれほど悪くない」
そう思える未来が、誰にでも、進んだその先にあると信じて。
これぞエンタメ! と呼びたい物語です。
その幕開けはトラブルが渦巻くリアルな中学の教育現場から。
過酷な職場に潰されかかっていた行橋先生は、本来の情熱と優しさを振り絞って、一人の生徒を救おうとしていました。
彼の熱意に応えたのはボランティアコーディネーター(通称ボラコ)の香川さん。
しかし二人が訪れた不登校状態の田部君の家には、どこか禍々しい匂いがして……。
* * *
まず現代の中学教育が抱える問題を、物語の背景として描き出す手腕に驚かされます。
さらに心優しい熱血教師の行橋先生と、正義感溢れる天然乙女の香川さんの甘くコミカルな恋の行方も読みどころです。
そしてホラーシーンの筆の冴えは「背筋が凍りつく」という表現そのもの。そちらがダメな方は本気で止めます。
ほんとうに怖かった。(もうダメかと思った)
ただし最後まで読まないと、このあたたかな至福の読後感には絶対にたどりつけません。
この作品は、読んだ人を幸せにするホラーです!
このお話は、本当に胸が掻きむしられるような、息の詰まるホラーでありながら、本当に温かな、でもちょっと普通じゃない”家族の絆”を描いたお話です。(そして、タグに『(念押し)恋愛要素あり』とあるとおり、微笑ましい”オトナ”の恋愛模様(?)もアリのお話でもあります。兎角、この作者さまはサービス精神に満ち溢れており、どのくらい満ち溢れているかは応援コメントの盛り上がりからお察しくださいませ)
本当に、とても怖いホラーなのですが、作者さまのお人柄にじみでた、優しさに満ちたお話ですので、ホラーが苦手な方にも安心してお読みいただけます。
でもなによりこのお話、いえ、福祉の最前線で戦っておられる作者さまのお話すべてが私に強く印象づけるのは、”社会的に不利な立場におかれている人”の心の悲鳴を代弁されているような、多分に風刺的な物語です。そして、そのような重いテーマを扱っていながらも、巧みな構成と丁寧に描かれた人物描写により、少しも押し付けがましくならず、むしろすっと心に染み込み逆にこちらが励まされているという筆力の高さと作者さまの芯の強さなのです。
このお話に限らず、こちらの作者さまのお話はホラーや難しい題材を扱ったお話なのですが、ぜひ、「今、しんどいな。辛いな」と思っているときにこそ読んでみてください。
きっと、心を軽くしてくれますよ。