二人の腐れ縁に乾杯

女子高生小説家新宿泊はその売れっこぶりがきっかけとなり、一人執筆キャンプを始めようとする。
テントなど道具を揃えてバイクで走り、向かったキャンプ場。
泊がペグの打ち方で困っていたところ、ソロキャンパーの営野に助けられ二人の腐れ縁は始まった。


小説家らしく軽快な口調が特徴的な泊と彼女のボケに律儀に突っ込む営野の掛け合いは絶妙で読んでいて飽きず、
それでいてキャンプに関する知識が深まっていくのでとってもお得。

キャンプ場で食べる料理の美味しさはもちろん、道の駅でのジューシーなグルメとの出会い、
日頃の疲れを癒す温泉や風呂場の心地良さ、焚火を見つめての会話など貴重な体験が宝石箱のように詰まっています。

また、エピソードの各所には実際に舞台となった場所の資料やレビューが添えられており、
入念に取材されているためより作品の世界に入り込むことができました。

読めば実際にキャンプ場で泊のように「ほむ~んっ」と言いたくなることでしょう。

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