吾輩は異世界転生した猫である

作者 虚仮橋陣屋(こけばしじんや)

68

24人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

「吾輩は猫である」のオマージュ小説。なんですけど、それで終わってないんですよ。
いや、オマージュ小説としても凄いんですけどね。使っている漢字、表現方法、文体からして書くのがどんなに大変だったか想像もできません。
それだけでも十分に賞賛ものですが、死んでしまった猫が異世界に転生し、勇者猫として魔王退治に乗り出すんですよ。こんな展開を誰も考えないです。転生、異世界での生活、モンスターとの戦い、そして魔王との対峙。これを猫がこなしていく様は必見です。もちろん、原作を知っていればニヤリとする場面も多いですよ。
面白いのはそれだけにとどまらず、主人公を取り巻く人間がイキイキしているのも良いです。色々書きたいんですが、自分で読んで感じてください。

先駆者より最後にひとつだけ。結末はニヤニヤせずにいられませんのでお楽しみに!

★★★ Excellent!!!

正直言いましょう、RT企画でやってきたんですが、この物語を推薦してくださったのは夏目漱石だった……?

そんな気がするほど、文章が凄いです。
夏目漱石が異世界転生ものを書くなら、おそらくこうなるでしょう。

これは異世界転生です。
本当です、異世界転生なんです。
猫が異世界転生するんですよ。猫好きなアナタなら好きそうな作品ですが、ラノベ風とか今流行りのなろう小説とも真逆です。
本気で文豪が書いているような気配さえ感じる、しっかりとした文章から織りなす純文学的な異世界転生です。

それぐらいに驚くし、何度も読み返してからまた驚く作品です。

★★★ Excellent!!!

夏目漱石の名作「吾輩は猫である」を題材にした異世界ファンタジー。
溺死してしまったかに見えた猫「吾輩」は、メッツナーの神官クシュンにより異世界サンドレアに召喚されてしまう。
魔王と戦い世界を救うための勇者として――

文豪の文体を再現し、時にはそのまま引用し、時にはユニークなアレンジが加えられておりと圧倒的な作品です。
登場人物の名前も、クシュンやラビリスなどニヤリとするものが多く、原典への愛が感じられました。
そのうえ、吾輩は不思議な術を使えたり、原典さながらの生態観察を披露したりと異世界ものの要素も完備。
名作と現代の流行がマッチし、パロディに終わらず一つの新しい作品として成立しています。

「吾輩は猫である」は著作権が切れているため、インターネット上でも読むことができます。
ぜひ読み比べながら、吾輩の活躍を見届けてください。

★★★ Excellent!!!

坊っちゃん、カクヨムで何やってんすか。

というレベル。本文を読んだら圧倒されます。パロディというより、漱石の新刊。硬質な筆致は、文明開化の香りがします。

で、その文体で、あろうことか「異世界転生した猫の物語」が描かれるわけです。漱石口調で。笑いが止まりません。

漱石好き、猫好き、異世界転生好き、完成度の高いぶっ飛び小説好きの中で、二つ以上当てはまる人なら楽しめますよ。