土属性の主人公がまさかの理由で四天王から落とされるところから物語は始まります。
設定や用語は親しみがある王道のファンタジーなものですが、その親しみやすさをうまく利用して読者に分かりやすく、しかし斬新に書き上げています。所々にフラグを立てながらも主人公の性格か、ただの復讐ものにも追放ものにもならないのがまた最高に素晴らしかったです!
コメディとしてテンポと勢いが良く、可哀想だけれど笑ってしまう……という流れから、まさかの怒涛の熱い展開に運ぶのは作者の素晴らしき巧みな手腕でしょう。短くまとめられたお話の中で伏線回収も本当にお上手にされ、その瞬間は思わずそうきたか!とガッツポーズをしてしまいました。最高です!ただ笑えるだけではなく、ストーリーとしてファンタジーの設定をきちんと活かしています。
このすごさは是非にご自分の目で確かめてください。
文体そのものもコメディの勢いだけに頼らずとても丁寧に書いてらっしゃいます。心理描写は特に素晴らしいと思いました。だからここまで主人公を応援したくなるのかもしれません。
本当に最高に面白くて熱い作品でした!読み終わったあと興奮したまま書いているので支離滅裂になっていたらすみません。けれど、本当に好きな作品です!
きっと読み終えたあとは皆さんも土属性を好きになるでしょう。是非ご覧ください。
素敵な作品に出会えて嬉しいです。ありがとうございます!
魔王軍の配下、四天王の一人「大地のドルマ」は魔王に地味であることを理由に追い出されてしまう。
内心悔しがるものの復讐をすることもできず、新しい仕事について自分の幸せを改めて手に入れようとするのだが……。
ファンタジー漫画などでテンプレートとして使われる四天王の設定を生かして、つまはじきにされた主人公が新天地で再起し、生き方を見つめ直す姿をコメディタッチで描いた短編です。
確かな実力を持ちながら「外見に華がない」ことを理由に仲間から袖にされる主人公の有様には同情してしまいます。
そんな彼が地道に頑張って自分の生き方を見出す姿が人情味とユーモアをこめた物語として綴られています。
読みやすく楽しい短編ですので、ぜひご一読を。
土属性。
響きだけでなんかこう……もさっとした……ずんぐりむっくり系orマッチョみたいなイメージを抱く属性です。
全世界の土属性の皆さん申し訳ありません。
この土属性のドルマさん、正直イケメンじゃないですし、華もありません。なんやかんやで四天王を首になってしまいましたが、そこから彼の復習劇が始まるとか、そういうお話ではありません。
要所要所にコミカルな笑いをちりばめつつ、だけど時にホロリとさせてくれる短編です。
何でしょうね、結婚するなら土属性だな、ってそんな風に思いましたね。
やっぱりなんて言うのかな、地に足がついてるっていうかね……土だけに……ってやかましいわ!