ほっこりし、戦慄し、涙する。現実は、やはり残酷だ。

綿菓子のようなひとりの少女の生活を描くところから始まる本作。
しかし突然の事件でその暮らしは一変。彼女はわけも分からず未知の世界に放り出されます。

そんな不安から守ってくれるのは一頭のクジラ。以前の暮らしに戻るため、彼との旅が始まります。

主人公たちに起こるさまざまな事件。
それぞれの思惑のなか主人公たちを助け、あるいは陥れる、怪しくも人間味あふれる人物たち。

人のエゴがむき出しの、残酷な世界。
徐々に明らかになる世界の、自らの謎にとまどう主人公たち。

そしてすべてを知ったとき、彼女がとった行動は――。


情緒と多彩な色彩に彩られた豊かな世界観と共におとぎ話のような物語は紡がれていきます。

いろんな感情をひっぱりだしてくれる本作、おすすめです。