静かに、そして悲しく美しく語られる冒険譚

仲のいい同級生との語らいという日常。

あることがきっかけで非日常に叩き落される。
この街の裏側を垣間見たのと時を同じくして手にした一冊の本。

その内容は驚愕のものだった。
信じがたい記述に誘われるように、少年たちは冒険をはじめる――

全体を通し優しい語調で淡々と物語は進みます。まるで昔話や絵本を読んでいるかのよう。これは作者の人柄がそうさせるのでしょう。
少年たちの掛け合いもとても可愛く、読んでいてほっこり、クスリとさせられます。

終盤からは打って変わって物語の大きなうねりの中で翻弄される姿をみてハラハラ、流れもどんどん急流に。その頃には読む手を止められませんでした。

読後はすっきり秋の空のように爽やか。
おススメです!