記憶をなくした姫が活躍する、バトルアクション・ファンタジー!

 かつて、「姫」と呼ばれた少女がいた。「姫」は式神や神様と関係を結び、怪異を引き寄せる。この少女が、この物語の主人公だ。
 神代の武器や鵺、かしゃどくろといった妖怪のようなこれまであった怪異と、「黒い手紙」という現代のおまじないが、見事に融合し、怪異に新しい解釈を提示している。人間の行き過ぎた感情によって、少女たちが物怪(もっけ)となっていく様子は、リアリティがあり、不気味であるのにどこか悲しい。
 ただ、主人公とそれを取り巻く人間関係は、軽妙である。また、主人公の周りにいる物怪たちもかわいい木霊や、人間のおっさんのような武者、そして人間味あふれる神様という、賑やかで、明るい面々がそろっている。主人公は終始ツッコミ担当だが、記憶をなくしてる分、周りからツッ込まれることもあり、作品の雰囲気が暗くなり過ぎない。

 物怪やバトル・ファンタジー好きにはたまらない一作となっております。
 現代の高校と言う日常の場所が、異常な空間となり、様々な武器も出てくる学園モノでもあり、「姫」の失われた記憶を巡る謎解き要素もあります。

 是非、ご一読ください。

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