ユーデモニクス(Eudaemonics) ─四千年の泡沫で君ヲ想フ─

作者 あさぎ かな

279

103人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

十年前の七月三十日に起きたテロ《MARS七三〇事件》
その日を皮切りに、世界は堰を切ったように壊れだした──

Eudaemonics。即ち幸福論と名打たれた本作品は、語るべき魅力が非常に多いです。

軸となる『アヤカシ』という存在についても、龍神という名前だけでも神々しさが伝わるキャラクターから、木の神の眷族『木霊』、メジャーな妖怪である『一反木綿』など。
それ以外にも幅広く登場する上に、口癖や外見にもしっかりと個別とした特徴があり、愛着や親しみも湧きやすい。


そして、無論それはアヤカシだけに留まらず、記憶喪失の主人公『秋月 燈』を初めとした数々の登場人物達に も価値観や性格が色濃く出ている。
人間ドラマとしての質も高く、そこが群像劇という本作品のスタイルを際立たせています。


また作中には多くの謎が散りばめられており、そこが心地良いサスペンスとミステリーをもたらし、ほっこりする日常パートとの緩急を付けているので中弛みもしない。
序盤は情報量の多さに少し腰が引けるかもしれませんが、そこは作者様もしっかりと考慮し、随所に施された工夫が光ります。


設定を押し付けるのではなく、記憶喪失の主人公と二人三脚で理解していくという構成や、途中に挟まれる『幕間』や『時系列』などにその丁寧さが現れております。

そういった読み手への易しさと作品の面白さを非常に巧みに両立しているが故に、多くのレビューや星、評価を得れているのだと。
作家としても、純粋な読者としても楽しめる作品である事は間違いないです。


以上の観点からして
つい「複雑そう」「難しそう」と構えてしまうかも知れないけれども、作中にちりばめられた謎を一から十まで整理して読み進めなくても問題ないです。

霧の中を探検するように。
自分なりのペースで読み進めても、丁寧な小説の造りや工夫が、自然と頭の片隅にあった謎を晴らし… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

さすがはプロ作家。群像劇とSF、ミステリー、バトルを融合させた稀に見る小説である。
日常にある見落としがちな、いにしえからの摂理や筋。それらを折り込みながら、見事な筆力で読者を引き込み、予想をうまく裏切りつつ展開していく。
人間と神、天と地、光と闇、隔たりはどこか。
ここまで面白く深みがありメッセージ性のある物語はなかなか読めるものではない。テーマ性も緩急も一貫性も全てにおいて秀逸。作者の力量により相乗効果になっている。
体に流れる血の一滴、普段踏みしめている土の一掴みにも歴史があることに気づかせてくれる見事な群像劇である。

★★★ Excellent!!!

この小説には、作者の世界観がこれでもかと滲み出ている。1話目から怒涛のオリジナリティ。
それでいて、異世界転生ではなく、レベルも職業もギルドもない。
第三幕から強くなるミステリ色。もしや、幕ごとに違った味を楽しめるように設計されているのか?
だとしたら感服の一言。

★★★ Excellent!!!

独特なテンポに細かな描写、深く作り込まれた世界観は、早く続きを読みたいと思わせるような、強く引き込む力を感じます。
描写が難しい妖怪の外見も、長過ぎない適切な文でありありと表現なさっていて感服しました!
アヤカシ、神と言ったものの畏怖と可愛さ?を両方書き出している素晴らしい作品ですね!
TwitterのRT企画で知りましたが、これからも継続して読みたい作品第1位です!

★★★ Excellent!!!

記憶を失った燈は、普通の女子高生。
……あくまで、記憶を失った後は。

けれど誰もが、燈のことを忘れていない。
警察の浅閒・ノイン。ある花の名前のついた、忠実な式神。
そして、彼女の大切なひと――『龍神』。

式神は「人は本当に独りにはなれない」と言う。
龍神は「独りではないことを忘れないでください」と愛する人に繋ぐ。
この作品のテーマ。
私たちは誰かに生かされ、そして誰かを生かしている。
やがて燈が「私の命は、私ひとりで勝手にできない」と気づく瞬間、読んでいて鳥肌が立ちました。

相当数の資料をあたったと思われる、魅力的な舞台と伝奇の数々。
私も那須高原や鬼怒川温泉に行ったことがありますので、舞台に出てきてちょっと嬉しかったです。あと、三国志ネタも(笑)

伝奇にかぶせるよう、キャラクター設定もとても魅力的。
魔女の杏花はイチオシキャラクター。あと、少し読み進めると存在が明らかになる菜乃花の気質もすごく好き。
作者がプロの方だけあり、シナリオも充実しています。第46話の鵺のエピソードでは涙が出ましたし、第55話の龍神恋バナでは吹き出してしまいました。

とにかく、あらゆる面で充実した本作ですが、テーマが一貫しているところが本当に気持ちいい。
ぜひ皆さんも、燈と一緒に「繋がり」の世界を体験してみて下さい。

★★★ Excellent!!!

 この世ならざるもの、アヤカシと触れ合い、共存する少女、秋月燈はある事件をきっかけに記憶喪失になってしまう。アヤカシの存在を忘れてしまった彼女は、アヤカシを見ることができない。その存在を忘れてしまったはずなのに、生活の中で空虚を感じる。その虚しさの正体を探そうと、彼女は失われた記憶を探し求める。
 どこまでも真っ直ぐに、自分のしたいことを貫き通す燈。
 それに惹かれるように、彼女の傍にいる人たちは突き動かされ、彼女に協力していく。やがて、彼女は失われた記憶を取り戻すことができるのか。

 日本古来から伝わる〈アヤカシ〉という存在。日本書紀、平家物語など数多の書物に書かれるそれらを、この作品では歴史書を元に克明に書きだしている。
 言葉、言霊、約束、呪い、祀ろわざるもの――日本人が身近に感じ、敬意を払ってきたものを題材に、豊富な知識量でそれを物語としている。
 さまざまな知識で裏付けされたこの重厚感ある作品は、神話の空気を感じさせるほどゆたかな描写で書き記され、心震えるほどほど切なく言葉が語りかけてくる。
 まさにこの作品に封じられた言の葉は、言霊足り得るほど美しい。

 心から読んでいただきたいと思える、群像劇だ。

★★★ Excellent!!!

レビュータイトルは、一体何を言っているのかという感じだと思いますが
重く→きっかけとなった事件や主人公の記憶喪失等、設定
優しく→周りの妖たちのキャラクター
強く→主人公が立ち向かっていく感じ
軽やか→重めの文体を予想していたら、リズムよくぽんぽん入ってきました

★★ Very Good!!

Twitterより紹介を受けて拝読させていただきました。

 まずびっくりしたのが一話目にして大量の特殊単語や登場人物。流石群像劇と語るだけはあり、これと合わせて過去の事を語るような展開になっておりかなりゆっくり腰を下ろして読むのが向いている作品だと思っていました。
 しかし、話を進めるとこれらが「これからはじまるストーリーの要素を散らばめておく」という構造だと理解し、無理に覚えきる必要もない事に気が付けました。

 キャラの関係性で言うと、愛され、が多いのかな?って感じですね。超常日常関わらず多く愛された主人公と、その感情からか保護、或いは鍛えようとする他の座キャラたちの動きだったり。
 語彙力の豊富さに驚かされまして、恥ずかしながら途中辞書を取り出す場面も……
 中々面白いくはありましたが、この構成に驚く人もいるかも?そんな一作でした。

Good!

1話が長く、すでに72話あるところで、始めの数話は登場人物がとても多いので、心が折れそうになるのですが、それにも増して、主人公が一体何者なのか。
1話目の事件がなんなのか。
「謎」が気になります。

「姫」って呼ばれるのがそそられますね。

引き込ませる独特の世界観が背景にあり、しかも、キャラクターや場面の描写も丁寧で、複雑な設定が想像しやすいと思いました。

なかりゆっくりになると思いますが、がんばって読みたいと思います。

★★ Very Good!!

まずストーリーが面白い。
普通は見えない者アヤカシの存在が見えるともり。
そして共に生きると考えた少女。

いいですよ。
これからどうなっていくんだろうと、ワクワクしながら読めました。
最初は、飛ばし過ぎなんじゃないかなと思いましたが、そのスピード感が返って、物語の中にスッと入らせてくれました。

誰も思い浮かばないお話で、文体もお話に合っていたと思います。
次回作も期待しています。

★★★ Excellent!!!

自分を大切に思ってくれる人のことを、私たちはいつの間にか忘れてしまっているのかもしれません。それは、親であり、友人であり、先生かもしれません。
「忘れる」ということは、その存在を自分の中から消し去ってしまうということ。
それでも、その「忘れられた誰か」は、私たちを見守ってくれているのかもしれないですね。
この作品の、アヤカシたちのように。

世界設定が細かく、とても読みごたえがありました。
人物描写も細かいため、彼らが動き回る様を想像しやすく、入り込みやすい作品です。
戦闘シーンには疾走感があり、素晴らしいなと思います。
また、主人公とアヤカシの交流が非常にほほえましく、もっと彼らの日常を見てみたいです。

★★ Very Good!!

妖怪や心霊の類をなんら知識のない人が書くと、できそこないのファンタジーしか出来上がりません。
しかし、この作品は圧倒的な知識に裏付けされた上で世界が作られています。
物語の展開も、冒頭から「謎」を提示する形で幕を開け、読者を引き込まずにはいられない巧みさです。
ただ一点惜しいのが、筆者に力量がありすぎて世界観をしっかり作り込んでいるばかりに、それを第三者の読者に読ませるのが難解なレベルに到達してしまっているところです。
物語の進行とともに世界観の説明がされる構造は見事ですが、少し気を抜くと、せっかくの世界観をきちんと理解せずに読み進めてしまう危険性を孕んでいます。
しかし、読者を引き込むだけの魅力があるので、それも玉の瑕にすぎません。

★★★ Excellent!!!

 かつて、「姫」と呼ばれた少女がいた。「姫」は式神や神様と関係を結び、怪異を引き寄せる。この少女が、この物語の主人公だ。
 神代の武器や鵺、かしゃどくろといった妖怪のようなこれまであった怪異と、「黒い手紙」という現代のおまじないが、見事に融合し、怪異に新しい解釈を提示している。人間の行き過ぎた感情によって、少女たちが物怪(もっけ)となっていく様子は、リアリティがあり、不気味であるのにどこか悲しい。
 ただ、主人公とそれを取り巻く人間関係は、軽妙である。また、主人公の周りにいる物怪たちもかわいい木霊や、人間のおっさんのような武者、そして人間味あふれる神様という、賑やかで、明るい面々がそろっている。主人公は終始ツッコミ担当だが、記憶をなくしてる分、周りからツッ込まれることもあり、作品の雰囲気が暗くなり過ぎない。

 物怪やバトル・ファンタジー好きにはたまらない一作となっております。
 現代の高校と言う日常の場所が、異常な空間となり、様々な武器も出てくる学園モノでもあり、「姫」の失われた記憶を巡る謎解き要素もあります。

 是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

人ならざる者、妖(あやかし)、妖怪ものが好きな方にはおすすめです。

序盤よりぐいっとその世界に引きまれ、筆者の筆力が窺えます。

様々なあやかしが出てきますが、個人的には福寿が可愛いです( *´艸`)

もちもちの福寿を抱っこしたい……

個性あるあやかしやバトルが楽しめます!

★★★ Excellent!!!

質が高い群像劇であり、和風ファンタジー好きにはたまらないワードのオンパレードですが、舞台が現代ということで、とても入り込みやすく、サクサクと読めます。
かといって、文章が軽いわけではなく、むしろ設定が濃い分重みはあるのですが、区切りよく、テンポがいいため、その重みを難解ととらえることなく読める。
まだ途中なので、今後も楽しませていただきたいと思います!

★★★ Excellent!!!

読ませていただきました。
あやかしといえば、漫画の「結界師」が大好きでそんな小説を書いた記憶がありますが、この作品はそれとは全く比較にならない出来だと思っています。正直、すごく面白いです。
三点リーダの使い方に少し違和感を覚えましたが、そんな些細なことは無視して読み進めました。
ボリュームがあって、まだまだ半分も読めていませんが、引き続き読ませていただきます。頑張って下さい!応援してます!!

★★★ Excellent!!!

まだ途中が、レビューです!
この作品の魅力は「群像劇」って所です!主人公目線や会話を重視するものではないですが、個人的には作品を進めれば進めるほど味が出ます!

好き好みが分かれますが、登場人物一人一人のキャラを大事にしてるので、イメージするためには、二回読んで楽しめますよ!