中学生らしい純粋さと感性。才能の原石が光る切ないお話。

紹介文にもありますが、中学時代に書かれたとのことで確かにそれを窺わせるようなある種の「幼さ」が、台詞回しなんかには窺えました。

しかしそれ以外の部分。
精緻でいて詩的な美しさで描かれた情景描写や主人公の心模様の変化。
大人になっても未だに頭にこびりついて離れない、生の意味だとか、死に対する妙な美意識だったりが、素晴らしい筆致で描かれています。

僕はこれを読んで、作者様の現在を知りたい、そして他の作品も読みたいと思いました。
もちろんこれを読んで、瑞々しい「あの頃」の感性を蘇らせるもアリです。