移ろう時代と共に、翳りゆく暗紫紅の光

性交渉というのは、ある意味で最も現実的でグロテスクな「人間」を眼前に突きつける行為だと思うのですが、「かすみ燃ゆ」で放たれたかすみの光は、古色蒼然とした、おどろおどろしい寒村の中であったればこそ、より神秘的に照り映えたんだろうと思いました。

この無味乾燥とした、現代的でシニカルな視点持った二人の目には、全く同じものがまるで違って見えている。
それを見事に表現しきった坂水さんの筆力に改めて脱帽すると共に、何事も鮮烈な出来事になり得ない現代というのはやっぱり、つまらないもんだなぁ……なんて、思わされてしまいました……