概要
彼女は好きだと返してくれる。でも、それは私が欲しい好きじゃない。
三軒先の山田さんが風邪をひいた。
犬のタロウが脱走した。
猫のモモが子猫を生んだ。
そんなことが噂になるほど狭い町。
漠然とした未来に立ち止まったままの山野里穂の目に映るのは、年上の幼馴染み。
田舎町で平和に暮らしていくには少しばかり厄介な想いを抱える里穂が進む道は……。
※小説家になろう同時掲載
犬のタロウが脱走した。
猫のモモが子猫を生んだ。
そんなことが噂になるほど狭い町。
漠然とした未来に立ち止まったままの山野里穂の目に映るのは、年上の幼馴染み。
田舎町で平和に暮らしていくには少しばかり厄介な想いを抱える里穂が進む道は……。
※小説家になろう同時掲載
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!少女の気持ちをすぐ近くに感じ取れる、美しい文章
主人公の里穂は、年上の幼馴染の亜利沙に特別な好意を持っている少女です。
噂話なんてすぐに広まる田舎町。
同性の亜利沙への想いを隠しながら里穂は暮らしています。
目下の問題はその秘めた気持ちと、白紙で出した進路調査票。
素直に語られるモノローグは、トレーシングペーパーを使って丁寧に少女の気持ちを写し取ったかのようです。
田舎町を描写する書き出しの表現も、自分をカルガモの子にたとえる比喩なども、大仰ではなく身近に感じます。
そのため読者は深く感情移入して読み進んでいけます。
そして里穂の気持ちや言動が心に響きます。
非常に美しい物語だと感じました。
最後まで読むと、その気持ちは一層強まります…続きを読む